アルザスワイン Alsace Wine

フランスワイン

アルザス - Alsace -

アルザス Alsace 地図
アルザス Alsace 地図

ワイン産地としてのアルザス

アルザスはフランス北西部の山岳地帯にあるワイン産地で、北部(バー・リン)と南部(オー・リン)の2地区に分かれます。
フランスとドイツの国境近くにあるという地理的理由からか、両国の文化が融合した一種独特な地域です。
ワインも例外ではなく、一般的にフランスワインがワイン名として産地表示をするのに対し、アルザスのワインはドイツ風に品種名を表示します。
また使用するぶどう品種もリースリングやゲヴェルツトラミネール、シルヴァネールなどドイツ系の品種が数多く栽培されています。
ただしワインのスタイルはドイツよりもむしろフランス寄りで、硬質でミネラリーな辛口ワインが中心となります。
ワインそのもののレベルは非常に高く、特に近年は生産者の意識向上からテロワールの表現を尊重したすばらしいものが造られています。
その反面地域全体のまとまりに欠け、産地をあげての一体的なマーケティング活動はあまり上手くありません。
そのためメディアへの露出が少なく、ワインの質の割りに知名度が低いのが現状です。
しかしそれでも生産者の意識は高く、ドイツ的職人気質もあってか、着実にワインの品質向上への取り組みは進んでいます。
本来は優れたポテンシャルを持ち、事実世界に通用するレベルの高いワインを造っているだけに、その実力が再評価され大いに盛り上がる日を期待したいところです。

アルザスのワイン

現在「Alsace」のAOCを名乗ることが許されているぶどう品種は8品種(下表参照)。
内7品種が白ワイン用品種で、赤ワイン用品種はピノ・ノワールのみです。
最近はピノ・ノワールのレベルも上がってきているようですが、やはり気候などの関係もあり、白ワインに秀逸なものが数多く見られます。
中でもリースリング、ゲヴェルツトラミネール、ピノ・グリ(トカイ・ダルザス)、ミュスカの4品種はアルザス・グラン・クリュ Alsace Grand Cru に指定されています。
ぶどう品種なのにグラン・クリュ(= 最も優れた区画)と呼ばれるのも?な話ですが、アルザスにおいてはこれら4品種が特に優れているとされています。
その中でもリースリングは別格で、辛口リースリングと言えば世界中を見渡してもアルザスに肩を並べる産地はありません。
またこれとは別に畑として認められているグランクリュは全部で約50あり、その内30以上が南部のオー・リン県に集中しています。
しかしながらこれらのグラン・クリュは数自体が多すぎる上に、グラン・クリュの畑内においても傾斜角や日照条件、水はけなどの条件の違いによってできるワインの質にバラつきがあります。
そのためグラン・クリュとしての秀逸性があいまいで、中にはグラン・クリュ資格があってもその表記をあえてしない生産者までいます。
このあたりが同じグラン・クリュ・システムを取り入れているブルゴーニュとの大きな違いで、アルザスが抱える大きな問題点です。

[ アルザスAOCの許可品種 ]
  • リースリング
    Riesling
  • トカイ・ダルザス(ピノ・グリ)
    Tokay d'Alsace(Pinot Gris)
  • ピノ・ブラン(クレヴネール)
    Pinot Blanc(Klevner)
  • シャスラ(グートエーデル)
    Chasselas(Gutedel)
  • ゲヴェルツトラミネール
    Gewurztraminer
  • ミュスカ
    Muscat
  • シルヴァネール
    Sylvaner
  • ピノ・ノワール
    Pinot Noir

新しい潮流

世界的なシャルドネ・ブームや、カリフォルニアを代表する重く濃厚な白ワイン賛美という流れの中、スティーリーでミネラルを中心とするこの地方のワインは、なかなか理解されにくい難しい立場にあります。
アルザス地域内においてさえ、ここのワイン生産の主軸とも言える中小の生産者達は、大手メーカーの攻勢にさらされ、その熾烈で厳しい生存競争の中に身を置かれるという現実に直面しています。
そんな中でひとつの光明となっているのが、有機栽培やビオディナミによる、自然回帰的ワインへの志向です。
有機と言っても、この地方においてその考えが根付いたのは、ここ10年ほどのことです。
契機は1997年、ルーファック農業学校に開設された有機とビオディナミのコースでした。
時を同じくして、フランソワ・ブーシェやポール・マッソンの公演なども行われ、自然派ワインへの関心が一気に高まったのです。
資金力や独自の販売ルートを持たない小さな生産者が生き残っていくためには、量から質に転換した、高品質ワインへとシフトするしかありませんでした。
そんな流れの中で、有機やビオディナミに行き着いたのは、当然と言えば当然でした。
ドイツの文化が色濃く影響するこの地の人たちは、寡黙で生真面目、そんな性根が手間と情熱を必要とする有機・ビオディナミ栽培に向いているという面もありました。
今では自然派ワインに対する関心の高まりは、ひとつの大きなうねりとなってこの産地を席巻しており、徐々に一大勢力となりつつあります。
毎年1回、5日間に渡って「エコ・ビオロジック」というイベントが開催され、そこでは積極的な意見交換、試飲・試食といった事が行われ、フランス中から多くの自然回帰農法に興味を持った人たちが集まってきます。
この流れはさらに加速すると思われ、今後アルザスがビオ・ワインの総本山として国際的な地位を勝ち取る日もそう遠くないかもしれません。

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