シャンパーニュ - シャンパン - Champagne

フランスワイン

シャンパーニュ - シャンパン - Champagne

シャンパーニュ シャンパン Champagne 地図
シャンパーニュ シャンパン Champagne 地図

発泡性ワインの王様 シャンパン

かつて発泡性ワインなら何でも「シャンパン」の名前を勝手に使っていた時期があったためか、未だに発泡性ワイン=シャンパンというイメージがあります。
しかし厳密にはシャンパンとはフランス北部のシャンパーニュ地方 Chamagne で造られる発泡性ワインのことを指します。
シャンパンも含めた発泡性ワインは総括的にスパークリングワイン Sparkling Wine と呼ばれ、シャンパンの他にはイタリアのスプマンテ Spumante やスペインのカヴァ Cava などが有名です。
同じフランス国内においても、クレマン Cremant というシャンパンとよく似たタイプの発泡性ワインがあり、こちらはシャンパーニュ以外の地域で造られています。
製法自体はシャンパンと同じ瓶内二次発酵によって造られているため、基本的にはシャンパンと同品質と言えますが、やはり生産地やぶどうの違いから味わいにも違いが出てきます。
その反面少々お高いシャンパンに対して相対的に価格が安く、手軽に楽しめるというメリットもあります。
シャンパンの特徴は何と言っても、キレのある酸と繊細な果実味が作り出す見事な味わいの調和です。
他の産地のスパークリングワインがどうしてもシャンパンに及ばない大きな理由のひとつがこれであり、その秘密はシャンパンの生まれる土地と気候にあります。
フランスのぶどう栽培の北限と言われているシャンパーニュでは、ぶどうの成熟が非常にゆっくりと進み、収穫期を迎えても豊かな酸をたっぷりと保っています。
一般的に気温が高いと果実内の酸はぶどうの成熟とともに急速に失われ、事実南の暖かい地方のワインには、酸が不足したキレの乏しいものが散見されます。
シャンパンの場合はこの豊かな「酸味」が、「繊細な果実味」「きめ細かな泡」と一体となることで、他の発泡性ワインでは出せない見事な味わいの調和を生み出すことができるのです。

シャンパン製法の品質を支える製法 "瓶内二次発酵"

シャンパン 製造工程1
シャンパン 製造工程2
シャンパン 製造工程3

シャンパンは上図のような工程を経て造られます。
通常の非発泡性のワインとの大きな違いは、発酵の過程を2回行う「瓶内二次発酵」という方法を取っているところです。
まず通常と同じ方法で一度ベースとなるワインを造り、その後できたワインを瓶に入れて糖分と酵母を加えることで、2度目の発酵を促します。
発酵(アルコール発酵)とは酵母の働きによって糖分を分解して、アルコールと二酸化炭素を発生させる現象です。
通常タンクや桶、樽で発酵したワインから発生した二酸化炭素は空気中へと放出され、ワインの液内には残りませんが、シャンパンの場合はこの発酵を瓶の中という完全に密閉された環境で行います。
そのため逃げ場のない二酸化炭素は、ワインの液内に溶け込むのです。
つまりシャンパンの栓を抜いたときにシュワシュワと勢い良く出てくる泡は、ワインがアルコール発酵を行う過程で発生した二酸化炭素なのです。
なんだかとても手間隙がかかりそうな製法ですが、実際手間隙がかかります。
この手間は当然コストにも跳ね返るわけで、シャンパンが通常のワインよりもおおむね割高なのはこのためです。
そこでこの工程を省略化し、もっと簡単にしかも大量に発泡性ワインを作る方法として編み出されたのがシャルマ方式です。
シャンパンなら1本1本瓶の中で行う瓶内二次発酵の工程を、タンク内で一気に済ませてしまうのです。
この方法はイタリアのアスティ・スプマンテや、テーブルクラスの低価格スパークリングワインでよく用いられています。
ただしシャルマ方式だとどうしても泡が粗く、シャンパン独特のクリーミーな触感が出せません。
また泡の持続性もなく、やはり「質」という面では瓶内二次発酵に及びません。
現在シャンパンにはこのシャルマ方式は認められておらず、シャンパンと名乗るからには必ず瓶内二次発酵が用いられています。
シャンパンの繊細でとめどなくあふれ出す泡は、このような膨大な手間の結果作り出されているのです。

シャンパン 〜 甘口・辛口 〜

現在の主流は辛口シャンパンですが、かつてシャンパンは甘口が主流でした。
甘口から辛口へとシフトするきっかけとなったのは、シャンパンを代表するメーカーのひとつ、ポメリー社 Pommery が1874年にイギリス向けの市場に合わせた辛口シャンパン、ポメリー・ナチュレ Pommery Nature を発売し、これが大ヒットしたことから始まったと言われています。
白ワインにも甘口〜辛口があり、その度合いを決定するのはアルコール発酵後に残る残留糖分です。
アルコール発酵に際して酵母菌の作用により、糖分がアルコールと二酸化炭素に分解されるのですが、この際生成されたアルコールが一定レベル以上になると、今度は酵母自身がその環境に耐え切れなくなり、死滅してしまいます。
その時点で糖分を全て分解し切っていた場合は、甘みがなくなるため辛口となり、逆にまだ分解し切れない糖分が残留していた場合は甘口となります。
ところがシャンパンの甘口の場合はちょっと事情が違い、ドサージュ Dosage の際に加えるリキュールによって甘辛を調整します。
この通称「門出のリキュール Liqueur d'expedition(リキュール・デクスペディション)」と呼ばれるリキュールは、そのシャンパンの生地に使われたワインに、キビ砂糖やビーツ糖などを混合したもので、この糖の添加量によって甘さ加減が調整されます。
糖の添加量とラベルの表記との対応表は以下の通りです。

Brut Zero、Ultra Brut、Brut Sauvage 0g/L
Extra Brut 0〜6g/L
Brut 6〜15g/L
Extra Dry (Extra Sec) 12〜20g/L
Sec 17〜35g/L
Demi Sec 33〜50g/L
Doux 50g〜/L

おおよその目安としてはドゥー Doux 〜ドゥミ・セック Demi Sec は甘口、セック Sec 〜エクストラ・ドライ Extra Dry (エクストラ・セック Extra Sec)は中甘口、ブリュット Brut 〜エクストラ・ブリュット Extra Brut は辛口、ブリュット・ゼロ Brut Zero (ウルトラ・ブリュット Ultra Brut、ブリュット・ソヴァージュ Brut Sauvage)は極辛口といった感じになります。
現在ほとんどのシャンパンはブリュット表記になっていると思いますが、辛口好みの人はこのブリュットと書いてあるものを選べばいいという事になります。
シャンパン選びのひとつの参考にしてみてください。

シャンパンとテロワール

ワインはテロワールの飲み物と言われ、通常そのワインの原料となるぶどうが造られる環境(場所、気候、土壌など)が重要視されます。
ところがシャンパンにおいては、あまりこのテロワールが語られることがありません。
これはシャンパンというワインの造り方に由来します。
基本的に1本のシャンパンの中には異なる地域(もちろんシャンパーニュ地方内という限定された範囲内で)、異なる年度のワインが混合されています。
従ってブルゴーニュのように、村名や畑名がラベルに記載されることはほとんどありません。
これはシャンパーニュ地方という土地の気候が大きく関係しており、フランスでもワイン生産の北限に当たるこの場所は気候が不安定で、毎年質のいいぶどうが取れるわけではありません。
そのためコンスタントに一定品質のシャンパンを生産するためには、ある程度の量のリザーブ・ワイン(古酒)をストックし、状況に応じてこのワインを新酒にブレンドしてやる必要があるのです。
良年のみにリリースされるヴィンテージ・シャンパーニュでさえ、その表示年度のワインを80%以上使っていればよい事になっており、つまり100%単一年度のワインである必要はありません。
また複数地区の原料ぶどうから造られたワインをブレンドすることでも、味わいの調整が行われます。
こういった操作によって、毎年一定品質のレベルを維持できるのですが、その反面テロワールの違いを楽しめないという欠点もあります。
中にはクリュッグ Krug のクロ・デ・メニル Clos de Mesnil やフィリッポナー Philipponnat のクロ・デ・ゴワセ Clos des Goisses のように単一畑のものもありますが、これらは例外的な存在と言えます。
どうしてもテロワールの違いを楽しんでみたい人は、レコルタン・マニュピラン Recoltant-Manipulant と呼ばれる、小規模生産者のワインを探してみるのもひとつの手です。
大手のNM(ネゴシアン・マニュピラン Negociant-Manipulant)と違い、原料ぶどうを全て自前調達、つまり栽培のレベルから管理するので、多地区のぶどうがブレンドされることはなく、その土地のテロワールをダイレクトに楽しむことができます。
ラベルのどこかにRMと書かれているので、一目で判別できます。
ただし生産量が少ない分、あまり流通していないのがネックで、見つけるのは大変かもしれません。

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