ロワールワイン Loire Wine

フランスワイン

ロワール - Val de Loire -

ロワール Loire 地図
ロワール Loire 地図
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古城が立ち並ぶフランスの庭 ロワール

ロワールは別名「フランスの庭」とも呼ばれ、その名の通りまるで庭園のような美しい風景が広がる一大観光地として知られています。
ロワール地方を悠然と流れるロワール河は、フランスの中央山塊に源を発し、はるか1,012kmの長い旅を経て海へと流れ込みます。
日本の国土が北から南まで約3,000kmだという事を考え合わせれば、いかに長大な河かイメージできるでしょう。
気候は大西洋の影響を受けるため比較的穏やかで、パリに程近いこともあり、15〜16世紀にはしばしばこのロワールに宮廷が移されたこともありました。
それゆれこの地には当時の王侯貴族が立てた美しい城が数多く残り、現在は観光名所として毎年多くの人が訪れています。
ワイン産地としてのロワール地方は、大きく4つに区分され、東から順にペイ・ナンテ地区、アンジュ・ソミュール地区、トゥーレーヌ地区、中央フランス地区となっています。
それぞれに特色があり、バラエティ豊かなワインを造り出しています。

ロワール西部 ペイ・ナンテ地区

日本でも比較的ポピュラーな白ワイン「ミュスカデ」を産する地区です。
ミュスカデはワイン名であると共にぶどう品種名でもあり、別名ムロン・ド・ブルゴーニュ Melon de Bourgogne とも呼ばれます。
1709年にこの地を襲った大冷害によってほとんどのぶどう樹が凍死してしまったあと、寒さに強い品種としてこのミュスカデが広く栽培されるようになりました。
まぎらわしい名前でミュスカ(マスカット) Muscat やミュスカデル Muscadelle という名前のぶどうもありますが、これらは全く別個の品種なので注意が必要です。
ミュスカデのワインで特徴的なのはシュール・リー Sur Lie という製法です。
シュール・リーとは「澱の上」という意味で、発酵終了後の澱引きを行わず、そのままワインと共に収穫翌年の春あるいは秋ごろまで寝かせておきます。
澱の大部分はアルコール発酵の際に働いた酵母の死骸であり、何ヶ月もワインと共に置いておくことでその酵母の死骸が自己分解を始めます。
これによってワイン中にタンパク質や独特の苦味が溶け込み、ワインのうまみが増すのです。
ミュスカデは全般的にカジュアルなスタイルが主流で、価格も低く気軽に購入して飲むことができます。
しかし最近ではビオディナミ等による品質の優れたものも現れており、今後は今までの常識を覆すようなすばらしいものも現れるかもしれません。

ペイ・ナンテ地区 地図
ペイ・ナンテ地区 地図

ロワール中西部 アンジュ・ソミュール地区

亜大陸性気候で、土壌は石灰質凝灰岩土に、マシフと呼ばれる頁岩(けつがん)と石灰からなる土壌が所々に見られます。
フルーティーでとても親しみやすいロゼ・ワインで知られており、ガメイ種主体のロゼ・ダンジュとカベルネ種主体のカベルネ・ダンジュが有名です。
ほんのりとしたピンク色と口当たりのいい甘みは特に女性に人気があり、日本でも良く飲まれています。
ただし品質的には白ワインの方が優れたものが多く、サヴァニエールの単一畑クー・レ・ド・セラン Coulee de Serrant は、世界のトップワインのひとつとして数えられます。
今やビオディナミの教祖的存在となった奇人ニコラ・ジョリー Nicolas Joly の手によるもので、その生き生きとした味わいからはこの地が本来持つ潜在能力の高さを感じさせます。
またレイヨン川が発生させる朝霧は、ぶどうに貴腐を生じさせ貴腐ワインの生産を可能とします。
コトー・デュ・レイヨン、ボンヌゾー、カール・ド・ショームの3つはロワール3大貴腐ワインと呼ばれ、独特の香味と味わいを持ったすばらしいワインとなります。

アンジュ・ソミュール地区 地図
アンジュ・ソミュール地区 地図

ロワール中東部 トゥーレーヌ地区

白ワインが主力のロワール地方において、このトゥーレーヌ地区だけは赤ワインが成功しています。
気候は大西洋の影響を受けない、大陸性気候となります。
この地区の西側、ソミュール寄りに位置するシノンとブルグイユ(およびサン・ニコラ・ド・ブルグイユ)では、地元でブルトン Breton と呼ばれるカベルネ・フラン Cabernet Franc をメインに秀逸な赤ワインが造られています。
25%を上限にカベルネ・ソービニヨン Cabernet Sauvignon のブレンドも許されており、ワインにボディを与えたりスパイシーなニュアンスを与えるのに一役買っているものの、やはり気候条件的には適さず、メインの品種にはなれないようです。
また白ワインにおいてもヴーヴレーとモンルイで優れたものが造られています。
ロワール白ワインの代表品種シュナン・ブラン Chenin Blanc を使用し、カリンや白い花のスパイシーな香りが特徴で、独特の風味を持っています。
また発泡酒造りも盛んで、モンルイ・ムスー、ヴーヴレー・ムスー、さらにその上級品のクレマン・ド・ロワール(このアペラシオンはアンジュ・ソミュール地区のものも含まれる)などは、低価格ながら優れた品質のものが多いのが特徴です。

トゥーレーヌ地区 地図
トゥーレーヌ地区 地図

ロワール東部 中央フランス地区

ロワール河をナントの河口からさかのぼって、実に400km以上も上流に位置する産地です。
その名の通りフランス中央部に位置し、ロワール河を挟んで東がサンセール、西がプイィ・フュメとメネトー・サロン、その上にコトー・デュ・ジャノワ、ちょっと西に飛び地になってリュイィとカンシーがあります。
重要なのはサンセールとプイィ・フュメで、他のロワール地区の白ワインがシュナン・ブラン種を使っているのに対し、ここではソービニヨン・ブラン Sauvignon Blanc が主力となります。
時にブラン・フュメ Blanc Fume とも呼ばれるこのぶどうは、ボルドーの白ワインの主力品種としても有名ですが、その性格はここロワールでは大きく異なります。
トロピカルでリッチなボルドーの白に対し、ロワールで造られるものは、ハーヴェイシャスで繊細、野草やハーブのニュアンスが強くなります。
また土壌によっては火打石の芳香を出すものもあり、その多様性が注目されています。
他にも量はわずかですが、ピノ・ノワール Pinot Noir から造られる赤ワインもあり、出来のいい年にはブルゴーニュのピノ・ノワールに匹敵する品質のものも現れます。

中央フランス地区 地図
中央フランス地区 地図
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