イタリアワイン Italy Wine

イタリアワイン 世界地図 イタリア

イタリアワイン

イタリアのワイン史

今から約4000前、イタリアにぶどう栽培とワイン生産の技術をもたらしたのはギリシア人と言われています。
海路を伝ってもたらされたワイン文化はシチリアと南イタリアから始まり、やがてエトルリア人、ローマ人とその主役を変えながら徐々にイタリア半島中部、北部へと伝播していきました。
特にローマ帝国時代は、イタリアのみならず植民地化した支配地域全域にぶどう栽培を広め、ワイン生産は大いに奨励されました。
しかしその後のローマ帝国の衰退に伴ってワイン生産も縮小、再び盛んに造られるようになったのは中世になってからでした。
そして8世紀以降、ワイン造りの主役は修道院へと移行します。
ワインはキリスト教の聖餐には欠かすことのできない神への捧げものとして、修道僧が中心となってイタリア各地にぶどう畑を開墾しました。
また当時の封建制度下において、畑を耕す小作人が自分の取り分を少しでも増やすために、畑の改良に汗を注いだのもこの頃でした。
10世紀頃になると、ワインは一般庶民にも広く親しまれるようになり、町には今日のバールやオステリアのように、気軽に食事とワインを楽しめる所が増えました。
そして17世紀になって登場したガラス瓶は、ワインの可搬性・保管性を飛躍的に向上させました。
それまで樽や壷に入れて保管されていたワインは輸送や品質保持に不向きで、1年経って新酒が出る季節になるとかなり酸っぱく劣化した状態になっていたと考えられています。
しかし瓶に入れておくことで輸送が容易となり、また品質劣化を防ぐことができるようなりました。
さらに近代に入り科学的な知識・技術が導入され、ワインの品質は大いに向上、現在に至っています。
21世紀の今日、ワインはイタリア全土で造られており、その生産量は世界一を誇るまでになっています。

イタリアワインの今

フランスのAOC法にあたるDOC法がイタリアに導入されたのは1963年。
AOC法発布の1935年から30年も後の話です。
このAOC制度が世界のワイン・マーケットに与えたインパクトは絶大で、どの国よりも早く近代的なワイン法の整備に成功したフランスは、現在世界一のワイン王国となっています。
一方でフランスのAOC法に30年もの後れを取ったイタリアは生産量でこそ世界一を誇りますが、高級ワイン市場においてはフランスの後塵を拝してる感は否めません。
近年の品質向上は目覚しく話題のワインも増えたとは言え、どうしても今一歩フランスに及ばないのは、やはりこの30年の遅れが未だに尾を引いているからでしょう。
ただしマーケティングやイメージ的な話は別として、ワインそのものを見る分には、イタリアワインの実力はフランスに十分比肩するものがあります。
特に1980年以降のスーパー・タスカンやバローロ・ボーイズの登場は、イタリア・ワインが世界のワイン・マーケットから大きな注目を浴びる契機となりました。
またこれらのニュー・ウェーブはイタリアワイン界そのものにも大きな刺激を与え、一気にワインの近代化が進みました。
ステンレスタンクに代表される近代的醸造設備やバリックの導入、あるいは畑における栽培技術の向上など、ワイン生産を取り巻く環境がドラスティックに変化したのもこの頃です。
「世界標準」とも言うべきカベルネ・ソービニヨンやメルロといったフランス系品種がもてはやされ、事実それらのぶどうから世界レベルの質の高いワインが次々と登場しました。
そして今、イタリアワインはまた新たな局面を迎えています。
リージョナリティー、つまり産地の個性を表現する時代に入ったのです。
「イタリアワインとは何か?」「イタリアワインの個性とは何か?」、その根本的な問いかけに関する答えが現在のイタリアワインの大きなテーマとなっています。
そんな流れの中で生まれたのが、土着品種へのこだわりです。
例えて言えばピエモンテのネッビオーロであり、トスカーナのサンジョヴェーゼであり、カンパーニャのアリアニコであり、シチリアのピノ・ネーロです。
他にもまだまだイタリアには数百を数える土着品種があり、今後さらに様々なぶどう品種がスポットを浴びていく事と思われます。
これらの品種の研究が進みさらに洗練度の高いワインが造られるようになった時、イタリアワインはまたひとつ新しい顔を見せてくれることでしょう。
イタリアワイン ルネッサンスは、今がまさに最高潮と言えます。

イタリアのワイン法

DOCG-DOC-IGT-VDT

イタリアワインには上から下まで4つの階層が存在しています。
条件が最も厳しいDOCG、DOCGよりもやや緩やかなDOC、地方ごとのいわゆる地ワインであるIGT、そしてテーブルワインであるVdTの4つです。
建前上は以上の4階層ですが、実際にはこの階層が階層として機能していない部分が少なからずあり、とても一筋縄ではいきません。
DOCGの中でもバローロ Barolo やバルバレスコ Barbaresco などは文句なくすばらしいワインですが、一方で先述の通りキャンティやアスティなど、ほとんどテーブルワインとしか思えないようなワインがこのDOCGのグループに入っているのは、明らかに違和感があります。
またキャンティにもただの「キャンティ」と「キャンティ・クラシコ Chianti Classico」の2種類があり、これらは全く別個と考えるべきです。
キャンティ・クラシコには品質のバラつきはあるものの、真に品質重視のワインはDOCGを名乗るに恥ずかしくない素晴らしいものが数多くあり、十分に信頼できます。
このような分かりにくい法体系に至ってしまったのは、政治的駆け引きや、生産者団体・マーケティング主導でシステムが構築されてしまった弊害の結果です。
本来消費者のためにあるべきワイン法が、全く正反対の生産差者側の立場に立って推し進められたため、実態にそぐわない有名無実な現状を作ってしまったのです。
そしてそれにとどめを刺すのが、超高価なIGTやVdTの氾濫です。
スーパータスカン・ブームに端を発するこれらのワインは、スーパーVdTなどとも呼ばれ、イタリアワイン界において大きなムーヴメントを巻き起こしました。
法律上の規制がゆるいという事は、言い換えれば生産者の器量で自由度の高いワイン造りが可能だという事につながり、その事が皮肉にも高品質ワイン造りの土台となってしまったのです。
また生産者によっては、条件としてはDOCG、あるいはDOCの規制をクリアしているにも関わらず、そのブランドイメージの低さから、あえてVdTやIGTでリリースする者もいます。
ある意味完全にバカにされているDOCシステムですが、それが今のイタリアワインの現実でもあります。
それゆえに我々消費者は、目の前のワインを厳しい目で吟味し、優れたワインを「自力」で選ばなければならないという、なんとも理不尽な立場にあります。
ワインそのもののレベルは決してフランスに劣っている訳ではないのに、法がそれを後押しできていないというのは、実に残念な話です。

以下にその概略を記します。
イタリアワイン階層図
階級 条件など
DOCG デノミナツィオーネ・ディ・オリジーネ・コントロッラータ・エ・ガランティータ
Denominazione di Origine Contollata e Garantita
統制保証原産地呼称

生産地域、醸造法、貯蔵場所、ぶどう品種・比率、アルコール度数、最大収穫量、収率、熟成方法・期間、科学検査、試飲検査、など

最低5年以上DOCワインを経た後、原産地保護の国立委員会によって承認される
その他にも栽培や醸造・流通において、DOCよりも厳しい規制が課せられる

DOC デノミナツィオーネ・ディ・オリジーネ・コントロッラータ
Denominazione di Origine Contollata
統制原産地呼称

生産地域、醸造法、貯蔵場所、ぶどう品種・比率、アルコール度数、最大収穫量、収率、熟成方法・期間、科学検査、試飲検査、など
IGT インディカツィオーネ・ジオグラフィカ・ティピカ
Indicazione Geografica Tipica
限定地域ワイン
VdT ヴィーノ・ダ・ターヴォラ
Vino da Tavola
テーブルワイン

イタリアワイン産地地図

イタリアでは全土・全州でワインが生産されています。
一番有名なワイン産地は北部のピエモンテ Piemonte と中部のトスカーナ Tsocana。
ピエモンテではバローロ、バルバレスコ、トスカーナではキャンティ・クラシコやスーパー・タスカンなどが代表的なワインです。
白ワインではフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア Friuli-Venezia Giulia が最も高い評価を受けています。

イタリアワイン産地地図 地図
イタリアワイン産地地図 地図

各地区の詳細については、別ページにて解説します。




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