ピエモンテワイン Piemonte Wine

イタリアワイン ピエモンテ Piemonte 地図
ピエモンテ Piemonte 地図
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ピエモンテ

ピエモンテ アルプス山麓のワイン産地

ピエモンテとは「山の足」を意味します。
ピエモンテ州中部のモンフェッラート付近から始まるアルプス山脈は、ご存知ヨーロッパの屋根とも言える大山脈で、最高峰モンブランでは標高4,800メートルにも及びます。
イタリアを代表する名醸地として名をはせるピエモンテも、ワインの生産量自体はイタリア全21州中7位、特別多いというわけでもありません。
ただし全生産量中に占めるDOCおよびDOCGワインの割合は約80%に達し、量よりも質を追求している状況がうかがえます。
またバローロとバルバレスコの2大ワインを始め、ガッティナーラ、ゲンメ、ブラケット・ダックィなど、イタリアで最も多くのDOCGワインをかかえている州でもあります。
生産の主体は個人を中心とする小規模生産者がメインで、その点がフランスのブルゴーニュと似ています。
具体的な数字で言うと、ピエモンテ全1,200haの栽培面積に対して栽培農家は何と1,300件、つまり1件あたり平均1ha以下程度の規模しかありません。
平地が少ない、あるいはまとまった土地が売りに出にくいという条件が大手資本の参入を妨げ、今も昔ながらの個人農家がこの地のワイン生産の担い手となっているのです。
ワインは主にピエモンテ州南部の平野部と北部の一部で行われています。
ただし北部のワインの生産量は極めて少なく、ほとんどお目にかかる機会はないので、実質的には南部のワインが中心となります。
最近DOCGに昇格したロエロやガヴィなどはもちろん、DOCワインの中にも優れたワインがゴロゴロ眠っており、しかもコストパフォーマンスに優れたものが数多くあります。
特に有名生産者の手によるネッビオーロ・ダルバやバルベーラ・ダスティなどには出色のものが少なからずあり、まだまだ面白いワイを発掘する余地が十分残っています。

ピエモンテで栽培されているぶどう品種

ピエモンテを代表する3大ぶどう品種、それがネッビオーロ Nebbiolo、バルベーラ Barbera、ドルチェット Dolcetto です。
ネッビオーロは偉大なるDOCGワイン、バローロとバルバレスコに使われている品種で、ピエモンテ北部ではスパンナ Spanna とも呼ばれています。
ちょうど霧(イタリア語でネッビア)が出る時期に収穫が始まる事からその名が付いたと言われており、基本的には単独で用いられますが、ガッティナーラやゲンメなどは補助品種の混醸も認められています。
このネッビオーロは気難しい品種として知られており、世界中を見渡してもピエモンテ以外の栽培地で成功した例がありません。
他の産地でネッビオーロを栽培しても、そこからはなぜかさえない凡庸なワインしか生まれないのです。
ブルゴーニュ以外では際立った個性を見せようとしないピノ・ノワールとどこか似ています。
バルベーラはネッビオーロに次いで重要な品種で、元々はフレッシュさを楽しむカジュアルなワインが主体でした。
しかし収量を下げ凝縮度を上げてやることで、長期の熟成にも耐えられるポテンシャルの高いワインを造れることが最近分かってきました。
またバリックとの相性も良く、それゆえ現代的な嗜好に合わせたテイストに仕上げることが可能です。
生産者側でもこのバルベーラの可能性に着目し、非常に手の込んだレベルの高いワインを造る者もいます。
しかしながらまだまだ模索段階であり、バルベーラから真に偉大なワインが生まれるのはもう少し先になりそうです。
ドルチェットはドルチェ(=甘い)が示すとおり、その豊かな果実味が特徴です。
この品種もやはり元々はカジュアルなデイリーワイン中心だったのが、最近になって高品質ワインを志向する生産者が増えてきました。
ネッビオーロやバルベーラに比べて、気温の低い土地でも十分に熟するタフさを備えており、ソフトで肉付きの良い豊満な味わいが特徴です。
これら3大品種の他にもガヴィに使われているコルテーゼやロエロの白に使われているアルネイスなど、ピエモンテには多彩な品種が栽培されています。
いずれも個性豊かなバラエティに富んでおり、ピエモンテワインの多彩さを支えています。

ピエモンテの2大ワイン バローロ

「王のワイン」と呼ばれるバローロはピエモンテを代表するワインであると同時に、イタリアを代表するワインでもあります。
ピエモンテ州南部、ランゲと呼ばれる丘陵地帯で造られ、古くは諸侯や王侯貴族の晩餐会で好んで供されたまさに「王のワイン」でした。
しかし1970年ごろからその人気は凋落、大きな変革を迫られる事になります。
当時のスタイルはやせて枯れた味、その上タンニンが過剰に効いて飲み頃を迎えるまで10年以上もの時間を要するといった、完全に時代遅れのワインとなってしまっていたのです。
バローロはネッビオーロ100%で造られ、このネッビオーロは果皮の色が薄いため色素抽出のために長期間の果皮浸漬が必要でした。
ところがこの長期間の果皮浸漬は同時に大量のタンニンまでも抽出してしまい、結果的に熟成前の若い段階では渋みの強い飲み難いワインとなってしまっていたのです。
やがて1980年代に入って近代的な醸造理論や設備を駆使してその問題解決に取り組もうという動きが出始めました。
その代表的な手法がステンレスタンクを使った発酵温度のきめ細かな管理や、ソフトなタンニンを抽出する低温浸漬、そして熟成期間中に適度な酸素供給を可能とするバリックの使用です。
特にそれまでバローロの伝統にはなかったバリックの使用は、リリース直後からでも美味しく飲め、しかもその後の熟成によって品質の向上も図れるという、全く新しいスタイルのバローロを登場させました。
さらに1990年代に入って現れたバローロ・ボーイズの台頭は、これらモダン・スタイルのバローロの人気を一気に加速させます。
そして2000年に入りブームがややひと段落すると同時に、また新たな局面を迎える事となりました。
ブームに散々あおられた結果バローロの価格はマーケットの購買能力を無視した形で高騰し、大量の在庫をかかえる結果となってしまったのです。
また特に優れた品質を備えている訳でもないのにただ希少価値を狙っただけのクリュ・ワインの乱立や、伝統派とモダン派が入り混じったスタイルの一貫性のなさも市場の混乱を招きました。
バローロとは何か?
ここ20年来ややテクニカルな手法に走りすぎた反動からか、今バローロでは改めてクラシックなスタイルに戻る者、あるいは最新の技術と伝統的技術をミックスする者など、古典的スタイルに対する見直しの機運が高まっています。
バローロ史上恐らくもっともエキサイティングだった過去20年間を経て、果たしてこれからどんな方向に向かっていくのか?
バローロの改革は今も現在進行形で進んでいます。

もうひとつのワイン バルバレスコ

よくバローロの弟分と称されるバルバレスコ
骨太でタンニンの強いバローロに対し、繊細で優美なバルバレスコというのが一般的なイメージです。
バルバレスコはバローロと同じネッビオーロ100%で造られ、バルバレスコ Barbaresco、ネイヴェ Neive、トレイゾ Treizo という3つの村に加えて、サン・ロッコ・セーノ・デルヴィオ San Rocco Seno d'Elvious 村の一部が栽培地区として認められています。
熟成期間は最低2年(内オークか栗の樽で最低1年)を義務付けられており、4年以上の熟成でリゼルヴァを名乗ることもできます。
畑の土壌はバローロに比べて砂がちで熟成が早いため、比較的早くから飲み頃を迎えます。
法定熟成期間がバローロ3年に対し、バルバレスコは2年と1年短いのはそのためです。
栽培面積はバローロの1500ha強に対して600ha強、実に半分以下です。
19世紀後半頃から徐々に名声を高め、1894年にアルバ醸造学校の初代校長ドミツィオ・カヴァッツァが協同組合を組織、以降この協同組合がバルバレスコの生産の中核を担うこととなります。
その後2度の大戦を経ながらも1966年にはDOCに、1980年にはDOCGに昇格しました。
そして1970年代に入りアンジェロ・ガイヤ Angelo Gaja の登場によって、一気に世界的な注目を浴びることとなります。
それ以前は(そして現在も)協同組合とバローロのネゴシアンがそのほとんどのワインを牛耳っており、それゆえかどうしてもバルバレスコはバローロの格下的存在というイメージから脱却できませんでした。
しかし近年、特に1980年代以降になると世代交代に伴って若手生産者がメキメキと頭角を現し、様相も少しずつ変わり始めています。
アルバ醸造学校で最新の醸造技術や理論を学んだ彼らが、精力的にワインの品質向上に努めているからです。
彼らの手によるワインは、現代のニーズにマッチしたスタイリッシュで洗練された味わいが特徴で、それまでのやや田舎臭かったバルバレスコのイメージを一気に払拭しました。
現在バルバレスコの生産者数は100軒を超え、ガイア以外では目だった生産者がいないと言われていたこの地でも、ようやく多彩でしかも質の高い個性が楽しめるようになってきています。



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